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エレキギターのレコーディング方法

KEMPER等高品位アンプシミュレーターの登場で、エレキギターのレコーディングをラインで行うことも増えてきました。
しかし、ギターアンプで音を出してマイクで収録したときの生々しい雑味、箱鳴り感、マイク独特の音の太さもまた、捨てがたいものがあります。
今回は主にギターアンプをマイクで収録する場合の方法についてご説明します。

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1.ギターアンプとは

ギターアンプは、ギターの出力を増幅するアンプ(ヘッド)と、増幅した信号を音として出力するスピーカー(キャビネット)という二つの部分に分かれます。
アンプヘッドとキャビネットが一体化しているものを「コンボアンプ」、アンプヘッドとキャビネットが分かれているものを「スタックアンプ」と言います。

電気的処理が行われるのはアンプヘッド部分なので、アンプヘッドを使ってライン録音する場合はアンプヘッドのライン出力等から信号を取ります。
マイクを使用する場合は、スピーカーがついているキャビネットに対してマイキングします。

複数のスピーカーがあるキャビネットは、ほとんどの場合どのスピーカーから出ている音も同じなので、一つのスピーカーを狙ってマイキングします。
あるスピーカーを狙ったマイクは、それ以外のスピーカーとは逆側にセッティングしたほうが、それ以外のスピーカーの音を拾わず、位相の干渉の問題が起きにくいです。

ただし、例えばJC-120でコーラスをかけた場合などは、二つのスピーカーで出ている音が違うので、それに対処する必要があります。
JC-120のコーラスは、2つのスピーカーで位相の違う音を出力し、コーラス効果を作り出しています。
ですので、JC-120のコーラス効果を収録したい場合は、2つのスピーカー両方にマイキングし、MIX時に混ぜる必要があります。

2.マイクの距離による音の違い

基本的には①のように、スピーカーの至近距離にセッティングします。
この時、マイクがキャビネットのネットに触れると、余計なノイズが入ることがありますので、その点にだけ注意します。
①のように至近距離で録音すると、太くて近いクリアな音で録音できます。

②のように距離を離して録音すると、比較的か細いような、ルーム感のある音で録音されます。
また、完全に距離を離してルームリバーブの音を別途録音する場合もあります。
余裕があればいくつかマイクを立てて複数のマイキングを録音しておき、MIX時に選べるようにしておくと後で音作りの自由度が高くなります。

3.マイクのスピーカに対する位置による音の違い

ギターアンプのネットにマグライトなどをあて、中をのぞくとスピーカーの位置が確認できるので、そのようにして位置を調整します。
①のようにスピーカーのセンター近くにマイキングすると、ハイが強調されたエレキギターらしい抜けの良い音で録音できます。
②のようにスピーカーのエッジ近くにセッティングすると、ロー感の多いこもった音で録音されます。
数センチ程度でも音が変わるので、好みの音で収録される場所を探して録音します。
どちらかというと、①のようにセンター気味にマイキングしたほうが、後の処理がしやすいように思います。

4.ギターアンプレコーディングのマイクについて

マイクによってかなり音が変わるのがギターアンプレコーディングです。
よく使用されるのはSHURE SM57で、エレキギターらしいエッジの効いた抜ける音で録音できます。

他にも、ラージダイアフラムのコンデンサーマイク、ギターアンプ専用マイク等、様々なマイクが使用されます。
ギターアンプは音作り次第で多様な音が出るため、合わないマイクは本当に合わず、意外なマイクが良かったりするなど、様々なパターンがあります。
SM57はかなりの範囲をカバーできるので、今日でも多くのエンジニアが使用してします。

一つ注意すべき点は、ドラムと同様、大音量の楽器を至近距離で録音するため、対音圧が高いマイクでないといけないという点です。

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